論文・スライド作成上の注意

論文作成上の注意               2017・4・12藤本
以下は論文構成の例である.
論文は査読者が読み易い様に執筆し,かつ読者が興味を引く様な内容でなければならない.
文章作法は「和文語法上の注意と英文表現法V2」を参照
文章作成の為の金言「起承転結(きしょうてんけつ)」を心掛けなければならない.
 起:何故このテーマを行ったのか.研究の背景は何か.
 承:実験や数値予測の方法
 転:得られた結果と考察
 結:結論
論文は,和英を問わず同一の構成が多い:各学会の執筆要綱に従って書く.
 SAE:投稿用テンプレートが有る.
1段落は約200字程度にする(段落が長過ぎると,読むのが面倒になる.).
文字だけのページを作らない.適当に図や表を配置しないと,読む時にイライラする.
図の縦・横軸の文字や数字は小さ過ぎない様に注意
章の中に節を設けると読み易い.
例えば,3.実験,3・1実験装置,3.2実験実験条件・・・の様に番号を付ける.
 概要(AbstractまたはSynopsis):字数制限が有る事が多い.
研究の背景,何を何処まで明らかにするのか.結論の要旨
  自動車技術会論文集の概要は英文を要求:各学会の執筆要綱参照
1.緒言,緒論,はじめに,まえがき(Introduction)
  最初に研究背景を概要よりも詳しく記述,第2報・第3報・・・の場合は明らかになった事の簡単な記述,関連する古今東西の主要な文献紹介,何処まで明らかにするかを概要よりは詳しく記述
 実験の場合
2.実験装置(Experimental ApparatusまたはExperimental Setup)
実験装置の図による説明(実験方法に出てくる順に番号を振ると良い)
3.実験条件(Experimental Condition)
表による説明(表を用いない論文も有るが,読者には表が有るとわかり易い)
   単位はSI単位系(何故か排気関係の論文には非SI単位系の℃が用いられる)
4.実験方法(Experimental Procedure):2.と3.を独立した章にしないで,「2.実験方法」の省として2.と3.の内容を書く保プ法も有る.
実験装置に基づく実験手順(方法)の記述(使用計測器のメーカー名・主な仕様を記す.)
5.実験結果(Experimental Results):考察(Consideration)を独立した章にする事もあるが,例は少ないし,結果の図の説明の際に考察を記せば良い.図の説明は事実の羅列ではなく,定性的な説明を記さなければならい.(定量的な説明は,通
常非常に難しい.)事実の羅列は単なる報告書にすぎない.
図から得られる結果は真理なので,必ず現在形を使う.
図は独り歩きをする事があるので,実験条件を図の中に実験条件を挿入すると良い.
これが不可能な場合は,図題の1行上に必ず実験条件を記す.
実験式は,この実験で得られたものなので,式の後に必ず必ず実験条件を書いておく.
5.1 雰囲気温度および圧力と火炎の性状
    Relation among atmospheric temperature, atmospheric pressure and flame characteristics
(節の場合は,最初の単語の最初の文字だけ大文字にするのが通例)
5.2 雰囲気温度および圧力と着火遅れの関係
   ・
   ・
   ・
数値予測の場合
2.数値予測の方法:基礎式,解法,境界条件等を記述
   以下は,「実験の場合」に準じて章立てをして記述する.
6.おわりに,または結論,結言(Conclusion),おわりに,まとめ,むすび(Summary)
箇条書きにすると,読み易い.
 結論は真理なので必ず現在形にする.
謝辞(Acknowledgement) :章番号は付けない.
公的資金,委託研究先(但し,許可を得て記述),連名にしなかったサポートをした方々)を記す.
 参考文献(Reference):章番号は付けない.
各学会の執筆要綱に従って,本文に挙げた参考文献の番号順に自身の論文だけを参考文献に挙げるのは,先達の業績を無視した事になり,かつ研究者の良心に悖る行為である

スライド作成上の注意             2017/4/13藤本
スライドは,自身の講演時に使い勝手がよく,聴講者にはわかり易い様に作成しなければならない.
聴講者に講演内容を十分に理解させる為に,縦長の部屋や大人数の大講演室の後ろの席でも読める様にする必要がある.
その為の注意を次に挙げる
1.図のタイトルをヤタラポイントが大きい字を使い,肝心の図や表の文字や数字が小さすぎる事は,避ける.→文字・数字のポイントは24pt.以上にする.
2.一枚のスライドに掲載する図は4枚以下にする.∵4枚以上になると,情報過多になり,読取り難くなる.
3.スライドが完成したら,25~30m後ろに立って,総ての文字・数字が読めるか否かを確認する.