卒論について

卒論について
その分野では,世界でわかって無い事を極める為に卒論の研究を行う.
 卒論題目は,千田先生と松村先生が慎重に設定なさる.
 例えば韓国の大学には卒論のシステム無し=韓国では,学部だけで卒業すると恩師無し.
一年間の卒論の経験は,どの様な企業に就職しても必ず役立つ.
年度の最初に集まったら,チームリーダーに次を必ず聞く.
 テーマの背景
 (A)1年間の工程表(スケジュール)
 (B)どの様な方法で行うのか.
  1.実験の場合
1)使用する装置とその可能な実験条件(例:最大圧力:最大温度等)
2)使用計測器の種類とその原理およびそれぞれの計測精度(実験全体の   精度は,最も計測精度が低い計測器の精度と同等)
3)計測器によって得られるデータを予測して実験条件設定:場合によっては,実験計画法の手法を用いる
4)実験点は4点以上にする.:場合によっては,平方根が等間隔になる標準数(機械工学便覧または森北出版「初心者のための機械製図P102参照」
   例:差圧と流速の関係
  実験点が3点だと,傾向が上に凸か下に凸か直線的かが判明しない
5)PCコントロールによる実験手順の十分な理解
6)実験中には,必ず実験点をグラフ化する.→特異と思われるデータがグラフ上に現れたら,直ちにその実験点の前後の実験を行う.併せてその現象の原因を考える.
7)原因の究明に際しては,正しい計測であったか否かを計測の理論に基 づいて検討し,また,類似の実験を行っている過去の文献の結果と比較する.
8)但し検討の結果,特異点として現れた現象に確信が得られたら,宝の山を当てた事になるので,できるだけ早く論文にする.
9)実験点は約2mmの丸で表す∵実験には必ず誤差が含まれるので,これを表現する為で,点(・)で示すとヤタラ実験精度が有る事になる.
10) 実験点を結ぶ際には,最小二乗法を使う事が多いが,手描きで線を結ぶ(目の子で結ぶと言う)線と殆ど変わらない.
11) ソフトを使う場合には,最初の実験点と最後の実験点を線の起点に絶対しい.∵こうすると,最初と最後の点は他の実験点よりは精度が高い事になり,全実験点が同じ実験精度しか持たない事に矛盾する.
12)実験点は折れ線で結ばず,滑らかな線にする→各実験点には誤差が含まれるし,自然界の現象には折れ線状に変化するものは無い.
13)実験が一段落したら,グラフの定性的な説明を考える(一般的に定量的な説明は難しい.).
2.数値予測の場合
1)実験を対象とする計算の場合は,現象をよく観察し,結果の要因のモデルや計算手法などを適切に考慮する.
2)使用する基礎方程式,境界条件,解法の設定
3)コーディングをする場合,後で確認して内容が把握できるようにコメントを入れる.論文名,式番号まで書くとわかりやすい.
4)いきなり三次元コードでのコーディングをする前に,matlab,fortran,pythonなどで0次元,1次元などの簡単なモデルを作成し,使用した式の意味や感度をチェックすると,良い.
5)対象とした実験結果と数値予測結果の比較→両者が著しく異なる場合 は,数値予測の方法を見直す.
(C)関連する古今東西の文献の調査と,重要と思う文献を読む.